歌に想いを乗せる人、言葉に想いを込める人
唐突だが、
超特急1号車コーイチは凄い。
歌もダンスも上手いのに、顔も頭も良いと来た。
現場では双眼鏡で推しを追うのに必死だが、映像を観ると一際目で追ってしまう人。
私にとってコーイチくんはそういう人だ。
彼の凄さを語り出したら、誰もがきっと「語り足りない!」と言うのではないか。
今日はその中でも、彼の『歌』について話をしたい。
コーイチくんの表現力は、言葉にすると『格別』だ。
音源と現場ではアレンジの色がとても広く、一度でも音源やMVを見た後に現場に足を運んで貰えれば、その高い技術に度肝を抜かれるのではないか。
彼の確かな技術は、大阪の某有名ボーカル&ダンススクールに通い、幼少期から培って来た物だ。
超特急の結成当初はダンスが未経験のメンバーも居た中で、確実に技術も実力も経験もグループを牽引する、まさに『おとうさん担当』だったと思う。
彼は歌に想いを乗せる人だ。
超特急というグループの中に、もう1人、凄い人がいる。
超特急6号車ユースケ。
コーイチが努力の人なら、ユースケは天性の人だ。
彼は自身でも発言している通り、決して歌が上手い方ではない。
不器用で真っ直ぐで純粋で優しい、一人の男の子だ。
彼は誰かに愛される天才だ。
最初に超特急を見た人は、ユースケを見て度肝を抜かれるだろう。
ちょっと、この子大丈夫?と思う人も居るかもしれない。
変顔、奇声、謎のテンションと噛み合わない会話。ともすればそれを不快に思う人も居ると思う。
しかし良く見るとお気付き頂けるだろう、彼の顔面は古代ギリシャの彫刻家が彫り上げた芸術のように美しい。
特にスッと通った鼻筋は異国情緒に溢れていて、彼の魅力の1つでもある。だが彼は『高い鼻』をコンプレックスに思っているのだから不思議だ。
ここまで聞いても分かるように、そんな彼は口下手で、頭のいい人達みたいに言いたいことを上手に言葉に出来ない。
でもだからこそ、彼の言葉はいつでも必死で一生懸命で純粋で美しい。
では何故私はこのブログを書こうと思ったのか。
それは先日、12/17 神戸ワールド記念ホールで行われた、2016アリーナツアー『愛す。in WonderLand』でのユースケ渾身の愛の言葉を聞いたからだ。
今回のアルバムのコンセプトに、それぞれのメンバーをモチーフにした楽曲がある。
6号車ユースケのモチーフ曲は『Peace of Love』、曲のテーマは『人間愛』だ。
最初にそれを聞いた時、なんてユースケにピッタリなんだろうと思った。
これまでのユースケセンター曲を考えたら、少し…いやだいぶ毛色が違う。
披露前の挨拶で、ユースケは泣きながら、何度も何度もつっかえながら、ゆっくりゆっくり言葉を紡いだ。
『Peace of Love』披露前のユースケの言葉を、全文ここに書き残す。
『8号車の方は、超特急…超特急のこと、好きですか?…ちょっと待って、ちょ、ちょっと、ちょっと待って…なんで超特急が好きって聞いたんだろう?皆さんが、誰かに愛やラブを伝えたい時、どうやって伝えますか?ぼくは不器用だから、変顔とか、奇声しか、することができないけど、こんなぼくでも、みんなに愛を届けたいです。みんなが、超特急が、好きだから、今ぼくはここに立っていられる幸せを、この曲で、披露させて下さい。…みんな、愛してるよ…』
彼は言葉に想いを込める人だ。
全編を通して、『Peace of Love』は友愛を歌う応援歌のような歌詞だ。
Peace of LOVE/超特急
http://www.uta-net.com/song/217358/
#utanet
この曲の落ちサビの部分に、こんな歌詞がある。
『この世界は本当はいつも
たくさんのLOVEで溢れてる
例えどんなにぎこちなくて
時に誰かに笑われても
不器用なりにまっすぐ素直な
ありのままの君でいていいんだよ
これからもひたむきに進もう』
アルバムを聞いた時から、この部分だけは彼らが世界中の人達に届けたい言葉ではなく、福田佑亮という1人の男の子に向けて差し伸べられた手のように思えるのだ。
神戸でこの曲のパフォーマンスを泣きながら踊るユースケに、この落ちサビのパートを担うコーイチはゆっくりと近付いて、
『ありのままの君でいていいんだよ』
と力強く歌い上げると、優しくて純粋で繊細で儚げな男の子の髪をくしゃりと撫でて微笑んだ。
歌に想いを込める人。
言葉に想いを乗せる人。
超特急1号車コーイチ
超特急6号車ユースケ
彼らは天才で、そして努力の人。